塩分の摂り過ぎは、カラダに良くない。そんなイメージがあると思いますが、ダイエットを成功させるには、塩分過多だけでなく塩分不足にも注意が必要です。
塩分を摂り過ぎると、むくみによって脂肪を溜め込みやすい体質になってしまいますが、塩分不足の場合も、体調不良や病気を引き起こし、健康面はもちろんダイエットにも悪影響を及ぼすことに。
今回は、ダイエットと塩分の関係(塩分の摂り過ぎ、塩分不足)についてご紹介。バランスのよい塩分摂取を心がけることで、健康的に痩せることができるかも。
ダイエットと塩分の関係とは?
体に負担をかけない健康的なダイエットを行なうためには、「塩分の摂り過ぎ」と「塩分不足」の両方に気をつけることが大切です。
塩分の摂り過ぎで太る理由
塩分の摂り過ぎは、次のような太る原因と関係しています。
- むくみ(水太り)
- 代謝力の低下
- 便秘になる
- 食欲が増す
私たちの細胞は、ナトリウムとカリウムが一定の割合を保つことで、水分のバランスを整えています。しかし、塩分の多い食事により塩分過多になってしまうと、体はナトリウム濃度を薄めるために水分を溜め込むようになり、「むくみ(水太り)」を引き起こします。
むくみが続くと、血液やリンパなどの流れが滞って、酸素や栄養の供給、老廃物や毒素の排出などが上手く機能しなくなるので、代謝力が低下してカラダが「脂肪を溜め込みやすいモード」になってしまいます。
さらに、カリウムとナトリウムのバランスが崩れると、腸の筋力が低下してぜん動運動が弱まってしまうので、「便秘」になって脂肪や毒素を溜め込んで太りやすくなることも。また、体内の塩分濃度が高まると、濃度を薄めようとして消化液の分泌が盛んになるので、食欲がますという話もあります。
塩分不足で太る理由
塩分不足の場合は、ナトリウム濃度が低い状態になりすぎることで、水分バランスが崩れてしまいます。つまり、塩分の摂り過ぎと同じように、むくみや代謝力の低下、便秘などが引き起こされる恐れがあり、結局は太りやすい体質になってしまいます。
また、その他にもダイエットに悪い影響を与える原因が存在しています。
- 貧血
- 倦怠感
- ストレス
塩分のナトリウムイオンは、造血細胞を活性化させて、新たな血液をつくる働きを促進してくれるので、塩分不足になってしまうと「貧血」を招く恐れがあります。貧血になると、体が健康的に活動するために不可欠な酸素や栄養を、しっかりと全身に行き渡らすことが出来なくなるので、代謝機能が低下して太りやすくなります。
さらに、倦怠感やストレスも高まって気力や体力が失われるので、ダイエットに取り組む意欲がなくなって途中で挫折したり、せっかく痩せてもリバウンドで体重が増えてしまったりする可能性も考えられます。
ダイエットに理想的な「塩分」の摂り方
塩分の一日の摂取量
日本人の一日あたりの塩分摂取量の目標値(厚生労働省)は、
- 男性 8g
- 女性 7g
とされています。日本人の平均塩分摂取量(1日あたり)は、平成25年の場合、男性で11.1g、女性で9.4gとオーバーしていますので要注意です。
和食は健康的でヘルシーと言われていますが、お醤油やお味噌は塩分が多い調味料なので、普段から外食やファストフードなどをよく利用するような人は、塩分量には十分に気をつけたほうがいいでしょう。
塩分の摂り過ぎを予防する方法
塩分の摂り過ぎを予防するには、塩分の多い食品を控えたり、余分な塩分を体内からスムーズに排出したりすることがポイントです。
- インスタントや加工食品を控える
- スープや汁物は残す
- 香辛料やスパイスで味付け
- カリウムを摂取する
インスタント、加工食品は控える
インスタント食品(カップ麺やカップ焼きそば、カップスープなど)や、加工食品(ハム、ソーセージ、明太子、佃煮、梅干しなど)はとても塩分が多いので、ダイエット中はとくに食べるのを控えたほうが良い食品です。
また、これらの食品は、塩分が強く味が濃いので、ご飯がますます進んで「食べ過ぎの原因」になることもあるので注意してくださいね。
スープや汁物は残す
食事の塩分を減らすためには、スープなどの汁物を飲みすぎないことも大切。ラーメンやうどん、おそばのスープはかなり塩分が多いので、すべて飲み切らないようにしましょう。また、お味噌汁をつくる時は、減塩タイプのお味噌を使ったり、溶かすお味噌の量を減らしたりする工夫が大切です。
薬味やスパイスで味付け
塩分の多い食事に慣れている人は、減塩すると味付けが物足りなく感じることも。そんな時は、薬味やスパイスを加えて、味にアクセントを付けるのがおすすめです。
例えば、「にんにく、ショウガ、わさび、からし、唐辛子、ネギ、ゴマ、ハーブ」などを薬味として使ったり、「レモン、かぼす、ゆず」などの柑橘類を加えて酸味を足したりすることで、味の物足りなさをカバーできます。
また、「セロリ、シソの葉、クレソン、バジル」などの香味野菜を使って、料理をアレンジするのも塩分を減らす方法として効果的です。
カリウムを摂取する
カリウムは、余分な塩分を体外へ排出する作用をもつミネラルです。塩分の多い食べ物を食べる時は、カリウムが含まれた食材を意識的に食べるようにすることで、塩分の摂り過ぎによる肥満を予防していきましょう。
カリウムが多い食材としては、「海藻類、キノコ類、パセリ、アボカド、バナナ、ほうれん草、モロヘイヤ、シソの葉、枝豆、唐辛子」などがあります。ただし、パセリや唐辛子、シソの葉などは、100gあたりのカリウム含有量は多いですが、一度に沢山の量を食べるような食材ではないので、上手く料理に取り入れていく必要があります。
塩分不足を予防する方法
基本的に、現代人の食生活で塩分不足になるケースは少ないですが、カロリーコントロールや食事制限、過度の運動によるダイエットを行っていると、塩分不足になってしまう可能性があるので注意が必要です。
- 天然塩を選ぶ
- 偏った食事をしない
- 汗をかいたら水分と塩分を補給
天然塩を選ぶ
調味料として使う塩といえば「食塩」が一般的ですが、ダイエットや健康面でみると「天然塩」がおすすめです。天然塩は、海水を天日で乾燥させてつくる自然の製法なので、カリウムやマグネシウム、カルシウムなどのミネラル分が含まれていて、体内の水分バランスを整えるのに食塩よりも適しています。
偏った食事をしない
塩分不足を防ぐには、バランスの良い食事を心がけて、偏った食事制限などのダイエットをしないことが大切です。野菜を中心にできるだけ多くの食材を食べることで、栄養素をまんべんなく摂取しましょう。
一部の食材ばかりを食べたり、逆にまったく食べなかったりするような過度のダイエット法では、塩分不足だけでなく、体が「省エネモード」になって脂肪を溜め込みやすくなるので気をつけてくださいね。
汗をかいた時は、水分と塩分を補給
スポーツや激しい運動で汗を大量にかいた時は、「水分」と「塩分」の補給が大切です。発汗時は、水分だけでなく塩分も一緒に体外へと排出されるので、塩分不足になりがちです。
このような状態で水分だけを補給すると、体は低いナトリウム濃度に合わせて水分量を調節しようとするので、水分が排出されてしまい脱水症状や熱中症になることも。
まとめ
生活習慣病の予防などで「塩分を控える」ことばかりが強調されますが、塩分は体に不可欠な栄養素ですので、気にしすぎて過剰な減塩生活を送らないように注意してください。
ダイエットをする時は、ついカロリーばかりに囚われがちですが、塩分の摂り過ぎや不足、その他の栄養素にも意識を向けて、健康的に痩せる食生活へと見直していってくださいね。