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ダイエットに良いビタミンは?痩せる効果と上手な摂取方法

美容や健康に不可欠な栄養素である「ビタミン」は、ダイエットを効率よく進めるためにも重要な成分です。ビタミンが不足すると体内環境が悪化して太りやすくなることも。

とくに、食べ物から摂る栄養をスムーズに代謝したり、血流を改善したりするビタミンは「痩せる体」をつくるのに直接的に関わってくる栄養素なので上手に摂取していきたいものです。

今回は、ダイエットに良いビタミンを含む食べ物や上手な摂取方法についてご紹介。それぞれのビタミンがもつ特徴を知ることで、効果的にダイエットに活かしていきましょう!

ダイエットとビタミンB群の関係

ビタミンB1

ビタミンB1は、水溶性ビタミンのひとつ。糖質やアルコールの代謝、脳神経の働きをサポートするなどの効果をもつ栄養素で、ダイエットに限らず健康や美容にも重要なビタミンです。

糖質(炭水化物)をエネルギーに変換することをサポートするビタミンなので、不足すると、脂肪がつきやすくなったり、活力がなくなって基礎代謝が低下したりして、ダイエットにとってマイナスな影響を与えます。

その他にも、ビタミンB1が不足すると、イライラや集中力の低下、脚気(かっけ)、手足のしびれ、むくみ、動悸、食欲不振などの症状が現れるので要注意です。

  • 糖質代謝
  • アルコール代謝
  • 脳神経の働きを維持

ビタミンB1が多い食べ物や食品

日本人は、炭水化物(白米など)をよく食べるので、ビタミンB1が不足しがちです。また、多忙な人やスポーツをしている人も不足しやすいので、意識的に摂取するようにしましょう。

※豚肉、レバー、うなぎ、大豆食品(納豆や豆腐など)、グリンピース、玄米、そばなど

ビタミンB2

ビタミンB2は、水溶性ビタミンのひとつで、皮膚や粘膜、毛髪の健康維持に役立つことから「成長のビタミン」と呼ばれています。脂質や糖質、タンパク質の代謝にも関わっていて、とくに脂質のエネルギー変換に大きく関与しているので、ダイエットにも重要な栄養素と言えます。

また、血行障害の原因となる過酸化脂質を分解する働きもあるので、血流改善、肝機能の維持、生活習慣病などの予防にも効果的です。

その他にも、目や舌の粘膜異常、口内炎、肌荒れ、毛髪トラブルなども、ビタミンB2の欠乏によって引き起こされると考えられています。

  • 脂質代謝
  • 皮膚や毛髪の成長
  • 血流改善
  • 肝機能の維持
  • 生活習慣病の予防

ビタミンB2が多い食べ物や食品

ビタミンB2は、主にレバーやウナギなどの「動物性食品」に多く含まれていますが、これらの食品には脂質もある程度含まれているので、ダイエット中はバランスを考えながら、植物性食品からも摂取するようにしましょう。

※レバー、うなぎ、カレイ、サバ、牛乳などの乳製品、卵、納豆、モロヘイヤなど

ビタミンB6

ビタミンB6は、水溶性のビタミンで、タンパク質の代謝や神経伝達物質の合成に役立つ栄養素です。食べ物から摂取したタンパク質の分解や合成をサポートしてくれるので、筋肉、血液、ホルモンなどをつくるのに関わっています。

とくに、筋肉は代謝力をアップさせて、脂肪燃焼の効果を高めるために不可欠な存在なので、ダイエットを効率よく進めるためにも摂取したいビタミンです。

また、ビタミンB6には、女性ホルモンのエストロゲンの代謝を促進する作用もあるので、乱れたホルモンバランスを整えるのにも役立ちます。女性ホルモンの乱れは、肌荒れや生理不順のほか、太りやすくなる原因にもなるので、ダイエットとも密接に関係しています。

  • タンパク質の代謝
  • 皮膚や毛髪の成長
  • 神経伝達物質の合成
  • 女性ホルモンを整える

ビタミンB6が多い食べ物や食品

ビタミンB6は、動物性・植物性の食品に関わらず、多くの食べ物から摂取できます。女性ホルモンのバランスを整えてくれるので、整理前に積極的に摂るのがおすすめです。

※マグロ、カツオ、サンマ、イワシ、肉やレバー、大豆、カブ、にんにく、バナナなど

ビタミンB12

ビタミンB12は、水溶性ビタミンのひとつで、造血(血液をつくる)作用をもった栄養素です。葉酸と協力して赤血球のヘモグロビンの生成をサポートして、悪性貧血(赤血球の生産量が減少することで起こる貧血のこと)の予防に役立ちます。

また、神経系の働きを正常に保つ働きがあるので、乱れた自律神経を整える作用があるとも言われています。その他にも、最近の研究では、睡眠と覚醒のリズムを整えることで、睡眠リズムを正常にする働きがあることが分かってきています。

血流を良好にすることや自律神経を整えることは、代謝力を高めたり老廃物を排出したりすることに繋がるので、効率的なダイエットにとても重要です。そして、睡眠リズムが整うと生活リズムも良くなるので、健康や美容の面でもプラスです。

  • 血液をつくる
  • 血流改善
  • 自律神経を整える
  • 睡眠リズムを整える

ビタミンB12が多い食べ物や食品

ビタミンB12は、動物性食品に多く含まれていて、野菜や果物のような植物性食品にはあまり含まれていません。そのため、ダイエット中は不足しやすいビタミンなので、意識的に摂取してください。

※しじみ、あかがい、あさり、かき、いくら、たらこ、すじこ、レバーなど

葉酸

葉酸は、ビタミンB群の仲間で水溶性ビタミンのひとつ。タンパク質や細胞をつくるのに必要なDNAを合成する役割があるので、赤血球の生成や細胞の発育に関わっています。さらに、ビタミンB6やB12と協力して、動脈硬化の原因になる「ホモシステイン」を減らしたり、ビタミンB12と共に血液をつくったりする働きがあるので、血行不良や貧血の改善にも役立ちます。

葉酸は細胞分裂を促進してくれるので、腸内の粘膜細胞が代謝されて腸機能が正常化されると言われています。つまり、ダイエットの大敵である便秘解消にも一役買っているわけです。

  • DNAの合成
  • 血液をつくる
  • 血流改善
  • 動脈硬化の予防

葉酸が多い食べ物や食品

葉酸は、ほうれん草の葉から発見されたビタミンですが、その他の食べ物にも広く含まれています。葉酸の吸収を高めてくれる「ビタミンC」と一緒に摂るのが効果的です。

※ほうれん草、えだまめ、モロヘイヤ、ブロッコリー、芽キャベツ、菜の花、水菜、納豆、いちご、レバー類など

ナイアシン

ナイアシン(ビタミンB3)は、水溶性ビタミンのひとつで、糖質や脂質、タンパク質をエネルギー産生するときに働く栄養素です。コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあるので、肥満防止や血流促進などダイエットに嬉しい効果があります。また、消化器系の調子を整えて丈夫にする作用があるので、消化不良の改善にも役立ちます。

消化不良を起こすと、栄養の消化・吸収が悪くなるので、ダイエットを健康的に行なうために大切な栄養を十分に摂取できなくなります。さらに、栄養不足により体が「省エネモード」になるので、脂肪を溜め込みやすくなって、ダイエットの足を引っ張る可能性がでてきます。

  • エネルギー産生を助ける
  • コレステロールを減らす
  • 中性脂肪を減らす
  • 消化不良の改善

ナイアシンが多い食べ物や食品

ナイアシンは、普段から日本人が口にする食品によく含まれている栄養素なので、深刻なナイアシン欠乏になることは殆どありません。しかし、食事制限によるダイエット中は、肉や魚をカットして栄養バランスが崩れがちなので注意してください。

※かつお、サバ、ブリ、いわし、たらこ、レバー、くじら、鶏ささみ、落花生、大豆など

パントテン酸

パントテン酸(ビタミンB5)は、水溶性のビタミンで、糖質や脂質、タンパク質を分解してエネルギー産生する際に不可欠な酵素をサポートする働きがあります。また、善玉コレステロールを合成して血流を改善することで代謝力をアップさせたり、副腎皮質ホルモンの働きを促進させてストレスを緩和したりする効果もあるので、ダイエットにも役立つ栄養素です。

  • エネルギー産生を助ける
  • 善玉コレステロールを増やす
  • ストレスの緩和

パントテン酸が多い食べ物や食品

パントテン酸は、様々な食品に含まれているので、バランスのよい食事を心がけていれば、まず欠乏することはありませんが、ダイエット中は意識的に摂取しておくと安心です。

※レバー、鶏はつ、卵黄、納豆、たらこ、ししゃも、すじこ、モロヘイヤ、アボカドなど

ダイエットとビタミンCの関係

ビタミンCは、美容効果の高い栄養素としてもお馴染みの水溶性ビタミン。強いコラーゲンをつくり生成量も増やしてくれるので、弾力やハリのあるお肌はもちろんのこと、血液が流れやすい柔軟性のある血管もつくってくれます。さらに、鉄分の吸収をアップさせる効果や、優れた抗酸化作用による活性酸素の除去、ストレスへの抵抗力なども、貧血防止や血流改善にも役立ちます。

血流を正常に保つことは、体の冷えや老廃物の蓄積、内臓の機能低下などを予防して、高い代謝力をもった体内環境をキープすることに繋がるので、無理なくダイエットが行える「痩せやすい体質」づくりに効果的です。

  • コラーゲンの生成促進
  • 鉄分の吸収率アップ
  • 高い抗酸化作用
  • 抗ストレス

ビタミンCが多い食べ物や食品

ビタミンCは、喫煙や飲酒、ストレスなどによってどんどん失われていきます。緑黄色野菜や果物(柑橘類)などから積極的に摂取してください。

※赤ピーマン、黄ピーマン、アセロラ、柿、キウイ、レモン、グレープフルーツ、いちご、ブロッコリー、ゴーヤなど

ダイエットとビタミンEの関係

ビタミンEは、脂溶性ビタミンのひとつで、ビタミンC同様に優れた抗酸化作用をもっています。血液中のコレストロールの酸化を防いだり、悪玉コレストロールを減らして善玉コレステロールを増やしたりする効果があるので、動脈硬化などの改善に役立ちます。さらに、血管を収縮させる神経伝達物質の生成を抑えるので、毛細血管の血流が良くなって代謝力アップに繋がります。

その他にも、女性ホルモンの分泌をコントロールする脳下垂体に働きかけることで、ホルモンバランスを整えてくれる効果があります。

  • 高い抗酸化作用
  • 善玉コレステロールを増やす
  • 血行促進
  • 女性ホルモンを整える

ビタミンEが多い食べ物や食品

ビタミンEは、活性酸素を無害化すると効力を失いますが、ビタミンCにより再び抗酸化力を取り戻すことができます。そのため、ビタミンE単体よりもビタミンCと一緒に摂取したほうが効果的に働いてくれます。

※植物油、ナッツ油、アーモンド、落花生、ひまわりの種、魚の卵や肝、ほうれん草、カボチャ、いわし、うなぎ、たらこなど

水溶性と脂溶性のビタミンの摂取方法

ビタミンは、水溶性と脂溶性で食べ方に違いがあります。各ビタミンの特徴に合わない調理法をしてしまうと、せっかくのダイエットや美容の効果が得られなくなるので注意しましょう。

水溶性ビタミンの場合

水溶性ビタミン(B群・C)を含む食べ物や食品は、次のような特徴があります。

  • 水に溶けやすい
  • 熱に弱い
  • 過剰摂取の心配なし

野菜などを水で洗うときは、サッと手際よく洗うようにしましょう。また、水の中に長時間さらしておくと、ビタミンが溶け出してしまうので要注意です。スープやお味噌汁に入れたり、煮物料理の汁を一緒に摂るようにすると、無駄なく摂取できます。また、ビタミンCは、水溶性ビタミンの中でも特に熱に弱いので、なるべく生で食べるのが効果的です。

水溶性ビタミンは、多量に摂取しても余分な量はそのまま体外へ排出されてしまうので、一日三食の食事からバランスよく摂取することが大切です。

脂溶性ビタミンの場合

脂溶性ビタミン(A・D・E・K)を含む食べ物や食品は、次のような特徴があります。

  • 油に溶けやすい
  • 比較的、熱に強い
  • 過剰摂取に注意

油との相性がとても良く熱にも比較的強いので、水溶性に比べて調理方法の幅が広がります。油を使って調理することで、吸収率も格段にアップするので、炒め物などにして食べると効果的です。ただし、そもそもビタミンは熱にそれほど強くないので、熱を加えすぎないように気をつけてください。

脂溶性ビタミンは、水溶性と違ってしばらくは体内で貯蔵されます(およそ48時間くらい)。そのため、一度に大量に摂取すると、頭痛や吐き気、下痢、貧血などの副作用が起こる可能性があります。それほど心配する必要はありませんが、食べ過ぎたなと思ったときは、少しだけ摂取量を意識してみてください。

まとめ

ダイエットを効率的に行いたいのなら、ビタミンを食事に取り入れることはとても重要です。食べ物をスムーズに代謝してエネルギーに変えたり、血流を改善して代謝力をアップさせたりすることで、無理のない健康的な痩せ方をしていきましょう。

ビタミンは、バランス良く摂取することで、お互いにサポートし合いながら効果を高めることができる栄養素ですので、一部のビタミンに偏って不足することのないように摂取してくださいね。

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