トマトダイエットは、リコピンなどの様々な栄養素による効果を上手に活かしながら、健康的に痩せることができる方法としてとても人気のあるダイエット法です。
トマトは、私たちの食生活でよく見かける身近な野菜なので、美容や健康、そしてダイエットまで、多くの嬉しい効果が秘められているのなら、毎日のレシピに加えないのは勿体無いですよね。
今回は、トマトを食べながらダイエットする効果や上手な食べ方についてご紹介。「トマトが赤くなると、医者が青くなる」とまで言われる、栄養たっぷりのトマトを食べて効果的に痩せちゃいましょう!
トマトダイエットの栄養や効果について
トマトは、ダイエットにぴったりの優れた栄養素が沢山詰まっています。効果的に痩せることができるトマトの栄養を積極的に摂取してみてください。
① リコピン
トマトの代表的な栄養素といえば、「リコピン」が有名です。リコピンは、トマトの鮮やかな赤色をつくる色素成分で、優れた抗酸化力をもっています。活性酸素が原因となる老化や生活習慣病などを予防してくれるので、体を若々しく健康的に保つことをサポートしてくれる栄養素です。
そして、そんなリコピンの抗酸化力には、ダイエット効果を高める作用もあるんです。
優れた抗酸化作用
活性酸素は、血管や内蔵へダメージを与えて、体にとって大切な機能を低下させてしまいます。このような状態では、血行不良や内蔵機能の衰えにより、代謝機能が低下することに。
代謝が衰えると、脂肪や栄養などの代謝が上手く働かなくなってしまうので、体質的に痩せにくくなったり太りやすくなったりする原因になるんです。
リコピンの抗酸化力は、高い抗酸化作用で知られるβカロテンやビタミンEよりも何倍も優れていることが分かっています。βカロテンでは2倍以上、ビタミンEでは100倍以上とも言われる高い抗酸化作用で活性酸素をしっかりと除去して、代謝力を向上させることでダイエットを効果的にサポートしてくれます。
コレステロールや中性脂肪を減らす
また、リコピンには、血中の余ったコレステロールを回収して肝臓に戻す役割をもつ「善玉コレステロール(HDL)」を増やす効果があります。そのため、余分な脂分がきれいに回収されることで、コレステロールや中性脂肪の値を下げる作用があるんです。
悪玉コレステロールや中性脂肪が多すぎると、皮下脂肪や内臓脂肪を増やして肥満の原因になるだけでなく、動脈硬化や脂肪肝などの病気を引き起こす恐れもあるので要注意です。
② ビタミンE
ビタミンEは、リコピンほどではないものの、高い抗酸化作用をもっっているので、活性酸素をやっつけるのに効果的な栄養素です。
さらに、ビタミンEには、赤血球に柔軟性を与えて若々しく保つ働きや、血管内に血栓ができるのを予防する働きがあるので、血行改善にも役立ちます。
ビタミンEを摂ることで、血液がサラサラになって抹消にも血液が行き届くようになるので、冷え性も改善されて代謝機能も高まってきます。
③ ケルセチン
トマトの皮部分に多く含まれている「ケルセチン」には、血管を強化する働きがあるので、動脈硬化などの血管の病気を予防することはもちろん、血行を改善して代謝力をアップさせるダイエット効果も期待できます。
また、肝機能などが低下して毒素を処理できなくなると、全身に毒素がまわって代謝機能が衰える原因になりますが、ケルセチンには肝臓や腎臓の機能を高める作用があるので、解毒によるデトックス効果も期待できます。
その他にも、抗酸化作用や腸内での脂肪吸収を抑制する効果など、ダイエットに嬉しい効果がたくさんあります。
④ 食物繊維
トマトには、水溶性食物繊維である「ペクチン」が多く含まれています。水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌を増やしたり、便の通りを良くしたりする効果があることから、便秘解消に役立つ栄養素として知られています。
また、血糖値の上昇を緩やかにしたり、不要な脂分を排出したりする働きもあるので、体内に脂肪が増えるのを抑えて、肥満を予防する効果もあります。
⑤ グルタミン酸やアスパラギン酸
トマトは、「グルタミン酸」や「アスパラギン酸」といった旨味成分の宝庫です。
グルタミン酸には、内臓脂肪の蓄積を抑制する効果があるので、ダイエットはもちろん、肥満による生活習慣病などの予防としても効果的な成分です。
また、アスパラギン酸は、毒素を排出するデトックス効果や、ストレスの抵抗性を高める働きにより、代謝機能の低下を予防する効果が期待できます。
さらに、体液バランスを整える作用もあるので、むくみ解消にも有効です。トマトには、ナトリウムや水分を排出する働きをもつ「カリウム」も含まれているので、むくみ解消の効果がより高まります。
効果的なトマトダイエットのやり方
トマトダイエットをする上で、押えておきたいポイントをご紹介します。
① 朝トマトで効果アップ
一時期、夜トマトダイエットが流行りましたが、リコピンを効率よく摂取するには、「朝」にトマトを食べるほうが効果的です。
カゴメ株式会社のラットを使った実験によると、朝にリコピンを摂取したほうが、昼や夜に比べて吸収率がより高くなって、リコピンの効果が得やすくなることが分かっています。
② 赤く熟したトマトを選ぶ
トマトは、「赤く熟した」状態のときが、もっともリコピンなどの栄養価が高くなります。また、皮に色ムラがなく艶・ハリがあって、ずっしりと重さを感じるものが新鮮で美味しくいただけるトマトです。
ヘタの部分がしおれていたり、黄色っぽくなっていたりするトマトは、鮮度が落ちている証拠なので選ばないようにしましょう。
③ 加熱して食べる
トマトの栄養は、加熱して食べることで、より吸収率が上がります。例えば、リコピンの場合、加熱することで体への吸収率が2~3倍ほど高まると言われています。
とくに、油との相性がとても良いので、油で炒めたりオリーブオイルをかけたりして食べるのがおすすめです。リコピンやビタミンEは、脂溶性の成分なので、脂分に溶けやすく効率よく栄養を摂ることができます。
ただし、ダイエット中ということを忘れずに、油の量は控えめにしてくださいね。
④ トマトの摂取量は、一日2~3個
リコピンの理想的な摂取量は、「一日15~20mg」以上です。この量は、トマトを「一日2~3個」食べるくらい。ミニトマトなら17個、ホールトマトなら1缶弱が目安です。
また、トマトは食べるだけでなく、「トマトジュース」として飲むのも効果的です。トマトジュースのトマトは加工用として育てられ、太陽の光を十分に浴びた完熟トマトの状態で加工されます。そのため、栄養価がとても高く、トマトのもつ効果をしっかりと摂ることができるんです。
トマトジュースの場合は、少なくとも「1日コップ1杯(200cc)」くらいは飲むことが大切です。
⑤ 3ヶ月は続ける
トマトダイエットは、即効性のある痩せ方ではありません。効果が現れるのには時間がかかるので、最低でも「3ヶ月」は続けることが大切です。時間をかけて徐々に体質を改善していくことで、リバウンドのないダイエットができるので、焦らずにコツコツ続けてみてくださいね。
まとめ
トマトダイエットのような食べながら行なうダイエット法では、偏った食事制限は避けて、タンパク質や脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などをバランスよく食事に取り入れることが大切です。
栄養バランスが偏ってしまうと、せっかくのトマト効果も台無しになってしまいますので、摂取カロリーを抑えつつも、きちんとエネルギー補給をしながら、体に負担のない健康的なダイエットライフを心がけてくださいね。