寝るだけで痩せられる、そんな究極の寝ながらダイエットをご存知ですか?運動や食事制限は気にしているけど、睡眠の時間や質を考えて寝ている人は、あまり多くありません。
基本的に私たちの体は、夜から朝にかけて睡眠をとることで体や脳を休ませていますが、この寝ている時間を有効活用することで、ダイエットに嬉しい「痩せ体質」をつくることができるんです。
今回は、寝るだけでダイエット効果が得られる正しい睡眠方法についてご紹介。きちんと睡眠をとれていない人や朝起きたときにスッキリしない人は、自分の睡眠スタイルから見直してみてください。
寝るだけで痩せられる!驚きの効果とは?
最近、忙しくてちゃんと寝れてない…、夜更かしばかりしている…なんていう睡眠不足の人は要注意。睡眠が足りないと、「痩せにくく太りやすい体質」になってしまいます。
コロンビア大学(アメリカ)の2万人を対象とした睡眠学の研究では、睡眠を多くとっていた人のほうが肥満率が低くなることが明らかになっています。
睡眠時間を「7時間」とっていた人に比べると、5時間の場合は「52%」、4時間未満の場合は「73%」も肥満率が高くなるという結果が出ました。
その他にも、シカゴ大学やスタンフォード大学での研究結果では、睡眠時間が短いほど食欲が増してまして、ジャンクフードなどを欲する傾向が強くなることが分かっています。
この睡眠時間とダイエット効果に深く関わっているのが、寝ているときに分泌される「成長ホルモン」なんです。
睡眠で増やす「痩せホルモン」
成長ホルモン
代謝を促進する働きのある「成長ホルモン」は、糖質分解や筋肉増強に関わっているホルモンです。
成長ホルモンは、就寝中に代謝を行うので、睡眠の質が悪く眠りが浅かったり、夜更かしをしたりしていると、分泌が低下してしまいます。その結果、代謝がうまく働かなくなって、太りやすい体質になってしまいます。
コルチゾール
コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンで、糖や脂質、タンパク質などの代謝を促進する働きがあります。しかし、睡眠不足によってストレスを受けると、コルチゾールは脂肪を蓄えようと作用するので、ダイエットにマイナスな影響を与えます。
レプチンとグレリン
睡眠時間の研究で明らかにされたのが、「レプチン」と「グレリン」というホルモンの関係です。
レプチンは、脳の視床下部に満腹感を伝える働きがあり、食べすぎを防止する食欲抑制ホルモンとして作用します。
一方、グレリンは、炭水化物(糖質)などへの欲求を高める働きがあり、食欲増進ホルモンと呼ばれています。さらには、エネルギー消費を抑制する作用もあるので、肥満の大敵ともいえるホルモンです。
睡眠不足になると、レプチンの分泌が減って、グレリンの分泌が増すことが分かっています。研究結果では、8時間の睡眠をとった人に比べて、5時間しか睡眠をとってない人は、レプチンがおよそ「15%」少なくなって、グレリンがおよそ「15%」多くなることが示されています。
セロトニンとメラトニン
セロトニンは、幸福感をもたらす作用をもつ神経伝達物質で、その効果から「幸せホルモン」と呼ばれています。ストレスや不安、怒りなどの感情をほどよく抑制して精神の安定に役立ちます。
このセロトニンは、夜になるとメラトニンと呼ばれる物質へと変化します。メラトニンは、「睡眠ホルモン」と呼ばれる物質で、深い眠りや寝付きの良さを助けて、「睡眠の質」を高めてくれます。
つまり、ストレス緩和や質の高い睡眠を提供してくれるホルモンなので、他の痩せホルモンの分泌や働きを助けてくれる存在なんです。
睡眠ダイエットの効果的なやり方
睡眠は7~9時間
寝ながらダイエットを成功させるための理想的な睡眠時間は、「7~9時間」が目安です。起床する時間から逆算して、きちんと睡眠時間を確保することで、「痩せるホルモン」の分泌を促しましょう。
朝日をしっかり浴びよう
幸せホルモンであるセロトニンの分泌を促進するためには、朝起きたときに太陽の光をしっかり浴びることがポイントです。
朝に日光を浴びる時間は、およそ「30分」くらいでOK。セロトニンが活性化するだけでなく、体内時計がリセットされて体を活動的なモードに切り替えることができます。
寝具にこだわる
睡眠の質を高めて痩せるホルモンを分泌させたいのなら、寝るときのアイテムにも気を使いたいところ。
体を締め付けないゆったりとした「パジャマ」や、適度な固さで寝返りしやすい「枕」、入眠しやすい暗めの「ライティング」や、リラックス効果のある「アロマ」など、快適な睡眠を手助けしてくれる自分に合ったアイテムを選んでみてくださいね。
温めのお風呂
お風呂へゆっくり浸かるのも睡眠の質を向上させる方法のひとつ。就寝の1~2時間前くらいに入っておくことで、緩やかな体温低下とともに眠りにつきやすくなります。
お風呂のお湯の温度は、「38~40℃」のぬるめに設定するのがベスト。熱すぎない温度は、副交感神経を優位にしてリラックス状態にしてくれます。
スマホやパソコンは避ける
スマートフォンやタブレット、パソコンなどは、画面の光が強いので緩やかな入眠の妨げになります。とくにブルーライトの青い光は、脳を覚醒する作用があるので要注意。眠りに入る2時間前くらいからは、スマートフォンなどを使わないことをおすすめします。
夕食は野菜中心で
夕食は、脂質や糖質を摂りすぎないように注意しましょう。あまり多く食べてしまうと、消化に時間がかかって胃腸に負担をかけるので、睡眠の質が下がってしまいます。
さらに、夜は消費カロリーも少ないので、肥満の原因にもなります。野菜中心のメニューを心がけてください。
また、仕事などで夕食が遅くなる場合でも、できるだけ寝る3時間前までには終えておくことが大切です。
コーヒーは控えめに
コーヒーに含まれるカフェインには「覚醒作用」があるので、睡眠の質を下げる原因になることも。アメリカのウェイン州立医科大学の研究では、コーヒーは就寝6時間前に飲んでも、睡眠の質を大幅に低下させるということが明らかになっています。
そのため、コーヒーに限らず、エナジードリンクなどのカフェインが入った飲料は、「午後2時以降」は飲まないほうが良いとのこと。
夕食後や夜のリラックスタイムにコーヒーを飲んでいる人は、我慢したほうが良さそうですね。
休日はお昼まで寝ない
休みの日になると、つい夜更かしをしてお昼まで寝ちゃう…なんてことありますよね。でも、普段の睡眠リズムを崩さないためにも、朝日を浴びれる時間までには起きるようにしたほうがいいようです。
ダイエットのためにも、規則正しい睡眠を心がけたいですね。
まとめ
究極の寝ながらダイエットである「睡眠ダイエット」では、質の良い眠りをいかに手に入れるかが重要になってきます。心地よく入眠する工夫や睡眠を妨げるものを避けるなどして、「痩せるホルモン」がしっかり分泌される眠りにしていきたいですね。