人参(にんじん)は、甘みがあって美味しいだけでなく、栄養価が高くビタミンやミネラルが豊富に含まれています。そのため、ダイエットはもちろん、美容や健康の維持にも理想的な野菜なんです。
私たちの生活に馴染み深く、よく料理に使われる食材でダイエットが出来るのなら、手軽に始めることができるし、無理なく続けられそうですよね。
今回は、人参ダイエットの効果や食べながらダイエットにおける効果的な食べ方についてご紹介。1日の食事に上手に人参を絡めることで痩せることができるかも。
人参ダイエットの効果
人参を上手に食事の中に取り入れることができれば、次のような効果が期待できます。
① 摂取カロリーを抑えれる
人参のカロリーは、中サイズで「34kcal(1本)」くらいと低カロリー。大きめの人参を選んだとしても1本で57kcalなので、カロリーコントロールがしやすい食べ物です。
また、人参の場合、糖質が他の野菜に比べると多めですが、野菜のもつ糖質は「オリゴ糖」なので、善玉菌のエサとなって腸内環境を整えてくれます。血糖値の上昇も緩やかになるので、脂肪を蓄えるホルモンであるインシュリンを必要以上に分泌させないことに繋がります。
② 抗酸化作用で代謝力アップ
人参の代表的な栄養素といえば、「βカロテン」です。βカロテンは、美肌効果などのスキンケアから、がん予防や視覚機能の維持などのヘルスケアまで、様々な美容や健康に役立つ栄養素です。
βカロテンには、優れた「抗酸化作用」があり、体内の活性酸素をやっつけて、血管のサビを予防して血管を若返らせる効果があります。また、内蔵機能の低下も防いでくれるので、体内の循環がスムーズになって代謝機能の向上が期待できます。
③ カリウムでむくみ予防
人参は「カリウム」を含んだ野菜です。その量は、100gあたり「540mg」と豊富。そして、このカリウムには、体内のナトリウム濃度のバランスを整えて、「むくみ」を解消する効果があるんです。
これは、カリウムの利尿作用によって余分な塩分(ナトリウム)や水分が体外へと排出されるためです。
カリウムが直接的に脂肪燃焼などのダイエット効果を生み出すわけではありませんが、むくみがあると見た目がスッキリせずに太って見える原因になるので気をつけたいですね。
④ ペクチンで腸内環境を正常化
人参には、「ペクチン」と呼ばれる水溶性食物繊維が比較的多く含まれています。ペクチンには、腸内の善玉菌である乳酸菌を増やして腸内環境を整える働きがあります。さらに、腸内でゲル状になることで便の滑りを良くして便通を改善してくれます。
また、コレステロール値を下げたり、糖分の吸収を抑えたりする効果もあるので、ダイエットにとても効果的な栄養素です。
便秘解消には、ペクチンのような水溶性食物繊維だけでなく、「不溶性食物繊維」もバランスよく摂ることが大切です。人参には、水溶性と不溶性の食物繊維がしっかり含まれているので、便秘解消にぴったりの食材です。
⑤ 体を温めて冷え性を改善
東洋医学には、「体を冷やす食べ物」と「体を温める食べ物」があります。人参は、「体を温める野菜」として知られていて、冷え性などの改善にも効果的な食材と言われています。
体を温める野菜の見分け方としては、ごぼうやしょうがなどの土の中で育つ「根菜類」であることです。これは、根菜類には水分が少なく、ビタミンCやE、鉄やカリウムなどのミネラルが豊富に含まれたものが多いためと考えられています。
冷え性などで体温が下がると、代謝力が低下して「痩せにくい体質」になるので要注意です。
人参ダイエットの効果的なやり方
人参ダイエットの最大のメリットは、何と言っても「低カロリー」なところ。人参を食生活に上手く取り入れながら、効果的に摂取カロリーを抑えていきましょう。
① 人参ジュースとして飲む
人参の栄養を手軽に取り入れるには、ジューサーなどで「フレッシュジュース」として飲むのがおすすめです。「人参2本」をジューサーにかけて飲むことで、ダイエット効果だけでなく美肌効果も手軽に得られます。
人参だけでは飲みにくいという場合は、「りんご」を一緒に入れるのも効果的です。りんごの香りや甘みがプラスされて飲みやすくなりますし、りんごには人参同様に体を温める作用があるので、冷え性による代謝機能の低下を予防することにも繋がります。
忙しいときなどに朝ごはんを抜いてしまうと、体に脂肪が蓄えられやすくなったり、間食が増えたりする原因になります。きちんと朝ごはんを食べることが大切ですが、時間がないときは人参ジュースで素早く栄養補給するのもおすすめです。
ただし、加工された野菜ジュースの場合は、飲みやすくするために糖分などが多めに入っている場合も多くカロリーオーバーになりがちです。市販された野菜ジュースを選ぶときは、できるだけ、無添加や無糖の100%ジュースを選ぶようにしてください。
② 大きめに切って食べる
人参をダイエットに活かすのなら、「大きめにざっくりと切る」のが効果的です。噛みごたえがあるくらいの大きさに切ることで、「噛む回数」が増えて満腹感が得られやすくなって食事量を無理なく減らすことができます。とくに、「食前」にしっかり噛んで食べることで、食べ過ぎを予防できます。
その他にも、食事の際によく噛むことは、ヒスタミンやノルアドレナリンによる肥満予防から、顔やせや小顔効果まで、色んな嬉しいメリットがあります。
人参を生で食べる場合は、固さや風味が苦手という人も少なくないと思いますので、火を通すのは構いませんが、柔らかくなるまで煮たり、細かく切りすぎたりする調理法は控えて、できるだけ「歯ごたえが残る調理」をするように心がけてみてくださいね。
※ 噛むことによるダイエット効果については、「食べながらダイエット⑤ よく噛む効果と痩せるための成功術」で詳しく紹介しています。
③ 炒めると吸収率が80%に
βカロテンは脂溶性ビタミンで熱にも強いので、油との相性が良く炒めることで吸収率が高まります。その効果は、生のままでは吸収率はわずか8%程度ですが、油で炒めることで80%まで高まると言われるほどです。
ただし、ダイエットを考えると、油の使用はできるだけ控えめにしたいところ。油で軽く炒めるのはOKですが、揚げ物などの油をたっぷり使う調理法は避けたほうが良さそうです。
まとめ
人参は、ビタミンやミネラル、食物繊維などがバランス良く含まれている食材なので、痩せる効果だけでなく、美肌や健康づくりにも役立つものです。
人参は日頃からよく食べる野菜なので、特別意識することはないかもしれませんが、効率的に栄養を摂取する食べ方やダイエットに効果的な食べ方を心がけることで、生活の中に上手に人参パワーを取り入れてみてくださいね。